冬の広島を旅するなら、絶対に外せないのが「うどん」の食べ歩き。広島ならではのだし文化と、寒さを忘れさせてくれる温かな一杯が、観光の合間にそっと寄り添ってくれます。日帰りでも、1泊でも、2泊3日でも、ルートに合わせて組み込める絶品うどんと冬景色を満喫する旅へ――この記事では、冬にぴったりの広島うどんモデルコースを、分かりやすく丁寧にご紹介します。
冬の広島うどん食べ歩きを120%楽しむための準備ガイド
冬にこそ美味しい理由:だし文化と体が温まる一杯の魅力
広島の冬は、平均気温が5〜10℃前後と寒さが本格化する季節。そんな時期にぴったりなのが、温かいうどんをすすりながら、体の芯までぽかぽかに温まる“食べ歩き観光”です。広島のうどんは、昆布やいりこ、カツオをベースにした上品で深みのある「だし」が特徴で、関西風に近いながらも独自の味わいがあります。具材には旬の牡蠣や穴子、地元産の青ねぎなどが使われ、冬ならではの味覚を楽しめるのが魅力です。
また、汁物系の料理は体温を上げるだけでなく、観光で歩き疲れた体にじんわり効いてきます。温かいだしを一口含むと、ふわっと香る魚介の香りとほのかな甘みが広がり、広島の食文化を一杯の中に感じることができます。冬は牡蠣の旬でもあり、「牡蠣天うどん」や「かきうどん」といった限定メニューが並ぶのもこの時期ならでは。だからこそ、冬の広島は“うどんを食べ歩く観光”に最適なタイミングなのです。
「温まる・美味しい・巡れる」この3拍子が揃う広島うどんの魅力は、冬だからこそ一層輝きます。
広島うどんのスタイル入門:だし・麺・トッピング基礎知識
広島のうどん文化は、関西風に近い薄口のだしが基本ですが、店によっては濃い目の醤油風味や、パンチの効いた肉だしを使うところもあります。だしは主に「昆布・いりこ・鰹節」の組み合わせが多く、やさしい香りと透明感のある黄金色のつゆが特徴。冬の寒さに合うよう、ほんのり甘めに仕上げられている店も少なくありません。
麺は柔らかめで、モチモチ感よりもつるっとした喉越しが楽しめるタイプが多いです。ただし近年はコシのある讃岐風の麺を取り入れたお店も増えており、食べ比べが面白いのも広島うどんの魅力のひとつ。
トッピングでは、「肉うどん」や「天ぷらうどん」など定番メニューに加えて、冬の広島ならではの「牡蠣」や「穴子」の天ぷらが人気。さらに、地元で有名な「ちから」では、あんこ入りのお餅が入った“おしるこ風うどん”や“力うどん”など、個性豊かなメニューも提供されています。各店ごとの違いを楽しみながら、自分好みの一杯を探すのも旅の楽しさにつながります。
回り方のコツ:エリア別に固める・ピークを避ける・予約活用
広島市内は、観光地とグルメスポットが広範囲に点在しているため、効率的に回るには「エリアを固めて移動する」ことが重要です。例えば、午前中は広島駅周辺→昼は紙屋町・本通エリア→午後に平和記念公園や広島城、といったように1エリアごとに集中して動くと、移動時間を大幅に短縮できます。
また、人気のうどん店はお昼時(11:30〜13:30頃)に混雑しやすいため、食事の時間を少し前倒しする「ブランチ利用」や、14時以降の「アイドルタイム」を狙うのがおすすめです。事前に営業時間をチェックしておくと、無駄な待ち時間を避けられます。
店によっては、電話予約や整理券制度を導入しているところもあるため、気になるお店があれば事前のチェックが大切です。特に宮島エリアの人気店や駅ビル内の有名店は行列必至なので、混雑回避の工夫をすることで、快適に食べ歩きが楽しめます。
冬の服装と持ち物:歩きやすい靴・防寒・手袋&ポケットカイロ
冬の広島は風が冷たく、体感温度は思ったよりも低く感じることがあります。観光と食べ歩きを快適に楽しむためには、しっかりとした防寒対策が必須です。まず服装は、厚手のアウター・マフラー・手袋・ニット帽が基本。特に川沿いや海辺では冷たい風が強くなるので、風を通しにくい素材を選びましょう。
歩きやすい靴も重要です。広島市内は路面電車を使うことが多いですが、徒歩移動の場面も多いため、クッション性のあるスニーカーやブーツがおすすめ。うどんの店を何軒もハシゴするには、荷物を最小限にしておくと身軽に動けます。
また、ポケットカイロやミニサイズのひざ掛けがあると、寒さ対策に重宝します。スマホでルートを調べたり、クーポンや予約確認をすることも多いので、手袋はスマホ対応のものを選ぶと便利です。冬の快適装備をしっかり整えておくことで、寒さに煩わされずに観光と食べ歩きに集中できます。
交通とICカード準備:路面電車・バス・フェリーの上手な使い分け
広島市内の移動は、路面電車(広電)とバスが中心です。特に路面電車は市内の主要観光地(広島駅、紙屋町、本通、平和記念公園、原爆ドーム、広島港など)を網羅していて、観光客にとって非常に便利です。乗車には、全国の交通系ICカード(Suica、PASMO、ICOCAなど)がそのまま使えます。
効率よく観光地を回るなら、「広電1日乗車券」(大人700円)や、宮島フェリーとセットになった「広島電鉄1日乗車乗船券」(大人1,000円)を活用するのがおすすめです。これ一枚で、宮島口までの電車移動→フェリー乗船→市内観光がスムーズにできます。
また、バスは本数が多く市内の細かいエリアをカバーしているため、徒歩が難しい時の補助として使えます。紙屋町や八丁堀などでは、電車よりもバスの方が早く移動できることもあります。目的地に合わせて使い分けましょう。
観光アプリやGoogleマップと併用することで、ルート検索も簡単にできるので、事前に使い慣れておくと安心です。
広島うどんの食べ歩き観光モデルコース日帰りプラン
朝:広島駅周辺でだし香る一杯&モーニング散歩(的場町〜猿猴橋)
広島駅周辺は、うどん食べ歩きのスタート地点として最適なエリアです。朝早くから営業している飲食店も多く、まずは朝食がわりに温かいうどんを一杯。例えば、広島のソウルフード的存在「ちから 広島駅前店」では、優しいだしと柔らかいうどん、トッピングには揚げ餅やかまぼこなど、朝にぴったりの軽やかな一杯が味わえます。
食後は駅から徒歩数分の「的場町」や「猿猴橋」方面へ。この一帯は広電(路面電車)やバスが行き交う賑やかなエリアですが、朝は比較的静かで、レトロな街並みを楽しめます。特に「猿猴橋」は広島駅南口のランドマーク的存在で、朝日に照らされた川沿いの風景は旅のはじまりにぴったり。
早朝から動くことで観光客の少ない静かな時間帯に広島の空気を味わえるのもポイント。うどんでお腹を満たしたら、心地よい冷気の中をゆっくり歩いて、日帰り観光のウォームアップとして気分を整えましょう。駅ビル「ekie」のお土産エリアも午前10時頃から営業を開始するため、タイミングを合わせれば開店直後に立ち寄るのもおすすめです。
午前:平和記念公園〜本通で観光+本通商店街で立ち寄りうどん
うどんで体を温めたあとは、路面電車で「原爆ドーム前」まで移動し、平和記念公園を訪れましょう。冬でも観光客の絶えないこのエリアは、原爆ドームや資料館、慰霊碑など歴史と向き合う貴重な時間が過ごせます。1〜2時間かけてじっくり見学した後は、南に歩いて「本通商店街」方面へ。
本通は広島随一のショッピングエリアで、約600mに渡ってアーケード街が続きます。屋根があるので、寒い日や雨の日でも快適に歩けるのが特徴です。このエリアにも地元の人気うどん店が点在しており、ふらっと立ち寄れるお店としておすすめなのが「こがね屋 本通店」など。昼には少し早い時間帯ですが、軽めの一杯を追加で味わう“食べ歩きスタイル”を楽しめます。
また、商店街には広島名物のお好み焼きやもみじ饅頭などの軽食やお土産ショップも並び、観光と食の両方を満喫できるのが魅力です。午前中の本通エリアは比較的空いているので、うどんと一緒にショッピングやスイーツを楽しむのにも最適な時間帯です。
昼:紙屋町〜八丁堀で「牡蠣天うどん」や「肉うどん」を食べ比べ
本通から歩いてすぐの「紙屋町」〜「八丁堀」は、広島市中心部のグルメ激戦区。ランチタイムには、さまざまなジャンルの飲食店が賑わいますが、特に注目したいのが冬限定の「牡蠣天うどん」や、甘辛く煮込んだ牛肉をたっぷり乗せた「肉うどん」を提供するお店です。
例えば「うどんのつるのおんがえし」や、老舗の「因島うどん」などでは、素材の味を活かした一杯が味わえます。特に「牡蠣天うどん」は、広島県産のぷりぷりの牡蠣をサクッと揚げた天ぷらが主役。うどんのだしとの相性も抜群で、一口食べるたびに冬の幸せを感じられます。
肉うどんは、温かくてボリュームがあるため、しっかりとしたランチにも最適。少し濃い目の味付けがされた牛肉は、寒い日にこそ食べたくなるやさしさと力強さを持っています。
うどん店の混雑を避けるなら、ランチタイム直前の11時過ぎか、13時30分以降が狙い目です。時間に余裕があれば、2軒をはしごして「牡蠣天うどん」と「肉うどん」を食べ比べしてみるのも旅の醍醐味になります。
午後:広島城〜縮景園で和の景色を堪能&甘味休憩
お腹が満たされたあとは、食後の散策にぴったりな「広島城」へ向かいましょう。紙屋町から徒歩約10分ほどで到着できる広島城は、堀と石垣に囲まれた落ち着いた雰囲気の名城です。天守閣の内部は歴史資料館になっており、広島の武家文化や城下町の成り立ちを知ることができます。冬の空気の中、静かに佇む天守は凛とした美しさを感じさせます。
そのまま徒歩で「縮景園」へ。こちらは江戸時代に作られた池泉回遊式庭園で、広島を代表する日本庭園のひとつ。冬の縮景園は静かで、松の緑と冬空のコントラストが美しい景観を作り出します。散策の途中でベンチに腰掛けて一息つけば、旅の時間がゆっくりと流れます。
縮景園を出た後は、園のすぐ近くにある甘味処でぜんざいや和菓子などを楽しむのもおすすめ。体が少し冷えてきたら、温かい甘味や抹茶で休憩し、次の行動に備えましょう。うどんだけでなく、こうした“間の甘味”も、冬の広島観光の楽しさを引き立ててくれます。
夕方:広島駅ビルで締めの「旨だしうどん」&おみやげ購入
日帰り観光の締めくくりは、再び広島駅へ戻りましょう。駅ビル「ekie(エキエ)」には、地元の人気飲食店が多数入っており、旅の最後にふさわしいうどんの一杯が味わえます。夜に向けて人が増える前の夕方16時〜17時頃は、比較的ゆったりと食事ができる狙い目の時間帯です。
おすすめは、旨みたっぷりのだしを堪能できる「うどん ふるいち」などの駅ナカ店舗。広島うどんの優しい味を、改めて最後に味わって旅を締めくくると、満足感がグッと高まります。シンプルな「かけうどん」や「月見うどん」などを選べば、昼食とのバランスもとりやすく、お腹にやさしいラストになります。
その後は、同じくekie内にあるお土産エリアでショッピング。広島名物の「もみじ饅頭」や「レモン菓子」、さらには乾麺タイプのうどんやだしパックなど、自宅で旅の余韻を味わえる食品系のおみやげも充実しています。
帰路に向けた電車や飛行機の時間まで、無駄なく過ごせる構造になっているのが広島駅ビルの魅力。食も買い物も満喫して、充実した一日を気持ちよく締めくくりましょう。
広島うどんの食べ歩き観光モデルコース1泊2日プラン
1日目午前:宮島口へ移動して「穴子天うどん」+厳島神社観光
1泊2日プランのスタートは、朝のうちに広島市内から「宮島口」へ向かうのがおすすめ。広電またはJRで約30〜50分でアクセスでき、広島観光に欠かせない人気エリア「宮島」の拠点となる場所です。宮島へ渡る前に、宮島口駅近くで「穴子天うどん」を味わいましょう。
特におすすめの一杯が食べられるのは、地元で愛される「うえの本店」近くの食事処。ここでは、香ばしく揚げられた穴子天が、あっさりしただしと相性抜群のうどんに乗って提供されます。穴子は瀬戸内の名物でもあり、ふわっとした食感と程よい脂が冬にぴったり。旅の出発にふさわしい、ご当地感あふれる一杯です。
うどんを味わった後は、フェリーで宮島へ渡りましょう。フェリーは約10分で到着し、厳島神社までは徒歩約15分。満潮時には社殿が海に浮かぶように見える神秘的な風景が広がります。朝の早い時間帯は比較的観光客が少なく、静かに参拝や撮影を楽しめる貴重な時間帯。パワースポットとしても有名なこの場所で、旅の安全を祈願するのもおすすめです。
1日目午後:宮島表参道商店街〜弥山散策&海辺で温まる一杯
午前中に厳島神社を参拝した後は、すぐ近くの「表参道商店街」で食べ歩きと買い物を楽しみましょう。この商店街は約350メートル続いており、牡蠣やもみじ饅頭、あなご飯など、広島・宮島ならではのグルメが並んでいます。歩いているだけでも香ばしい香りに誘われ、つい食べたくなってしまう名店ばかりです。
中でも注目は、「焼がきのはやし」や「牡蠣屋」などで提供される冬限定の「かきうどん」。プリプリの広島産牡蠣が贅沢に乗った一杯で、あつあつのだしとの組み合わせが寒い日には最高のごちそうになります。海辺での食事は冷えることもあるので、店内でゆっくりと座って食べるスタイルがおすすめです。
食後の散策には「弥山(みせん)」がおすすめ。ロープウェーで中腹まで上がった後、片道30〜40分の登山道を歩けば、瀬戸内海の絶景を見渡せる山頂に到達できます。体を動かすことでぽかぽかと温まり、冬の運動にもぴったり。時間や体力に余裕があれば、夕方前に下山して海辺を再度歩きながら、夕暮れの宮島を満喫しましょう。
夜:広島市内へ戻ってイルミネーション散歩&温かいうどんで温活
夕方には宮島口から広島市内へ戻り、1日目の夜を過ごしましょう。広島駅周辺や紙屋町・本通エリアでは、毎年冬に「ひろしまドリミネーション」というイルミネーションイベントが開催され、平和大通り一帯が光に包まれます。幻想的な夜の街並みは、冬ならではの風物詩。カップルや家族連れにも人気のスポットです。
冷えた体を温めるのにぴったりなのが、再びの「うどん」です。夜営業のあるうどん店では、あんかけタイプや“力うどん(餅入り)”など、夜ご飯向けのボリュームのあるメニューが豊富に用意されています。例えば「ちから」や「因島うどん」の店舗なら、遅めの時間でも美味しいうどんが味わえます。
特に冬は、具だくさんでとろみのあるだしを使ったメニューが人気で、体の芯から温まります。散策で冷えた身体にしみわたるこの一杯で、1日目の疲れを癒し、ほっと一息つく時間を過ごせます。ホテルに戻る前に軽く飲みたい人は、うどんの後におでん屋さんや立ち飲み店に立ち寄るのもおすすめです。
2日目午前:本通・並木通りで「肉うどん」「ちから系」ハシゴ
2日目の朝は少し遅めのスタートでOK。まずは市内中心部の「本通」や「並木通り」周辺へ向かいましょう。このエリアは飲食店の数も豊富で、地元の人々が通う隠れた名店が点在しています。特に「肉うどん」が人気で、朝からしっかり食べたい人にはぴったりのメニューです。
おすすめは「うどんのつるのおんがえし」の本通店や、広島の老舗チェーン「ちから」の並木通り店。甘辛く煮込まれた牛肉をたっぷり乗せた肉うどんは、ご飯代わりにもなるボリューム感。寒い朝にエネルギーを補給できる“広島の朝ごはん”として観光客にも定評があります。
時間があれば、朝と昼の間にもう一軒“うどんハシゴ”も楽しいプランです。店舗によっては「あんかけうどん」や「カレーうどん」などバリエーション豊富なメニューが楽しめ、食べ比べにも向いています。
並木通りは街路樹が美しいエリアで、冬でもどこか華やかな雰囲気が漂っています。うどんを食べながら、散歩がてらセレクトショップや雑貨店をのぞいてみるのもおすすめです。1泊2日の後半にふさわしい、ゆったりとした時間が流れます。
2日目午後:路面電車で広電沿線さんぽ&ラスト一杯で旅の締め
旅の最後は、市内を走る広島電鉄(通称:広電)に乗って沿線の街並みを楽しむのが◎。路面電車は観光と交通の両方を楽しめる存在で、ゆっくりと市内を走る車窓から、広島の日常風景を感じられます。おすすめのルートは「八丁堀」→「広島港」方面。車内は冷房が効きすぎることもなく、快適な移動が可能です。
時間に余裕があれば、広電の終点「広島港」で少し海辺の風景を眺めてみたり、近くの公園を散歩するのも良いでしょう。その後、市内中心部へ戻り、旅の締めくくりとして、もう一杯「広島うどん」をいただきます。
駅ビル「ekie」内にある店舗はもちろん、紙屋町や八丁堀周辺にもまだ訪れていないうどん店が多くあります。ここでは、あえてシンプルな「かけうどん」や「きつねうどん」を選び、旅の振り返りをしながら味わうのもおすすめです。
最後に、ekieでお土産を購入すれば完璧な1泊2日の締めくくり。乾麺のうどんやだしパック、広島特産の柑橘を使った調味料などを選べば、自宅でも旅の味を楽しむことができます。お腹も心も満たされた、冬の広島うどん旅がここで完成します。
広島うどんの食べ歩き観光モデルコース2泊3日プラン
1日目:広島駅〜平和記念公園〜本通で王道観光と定番うどん巡り
2泊3日の初日は、広島駅周辺を起点に市内の王道観光地を巡りながら、地元に根づいた広島うどんを堪能するのがおすすめです。朝に広島駅に到着したら、まずは「ちから 広島駅前店」で朝ごはん代わりのうどんを一杯。柔らかめの麺と、いりこや昆布の風味が効いただしは、朝にぴったりの優しい味わいです。力うどんや餅入りのうどんも冬には特に人気があります。
腹ごしらえを済ませたら、路面電車で「原爆ドーム前」へ移動し、平和記念公園をゆっくり散策。原爆ドーム、平和の鐘、広島平和記念資料館と見どころが多く、歴史を学ぶ大切な時間になります。1〜2時間ほど滞在するのが目安です。
その後は南へ歩いて本通商店街へ。途中には「こがね屋」など地元で評判のうどん店があり、時間が合えばランチに2杯目を楽しむのも◎。商店街のアーケードは冬でも暖かく、お土産店やスイーツも多く並んでいるので、観光の合間に楽しめるスポットです。1日目はあえて遠出せず、広島の中心部をのんびり回ることで、旅の導入としてちょうど良いバランスになります。
2日目午前:呉エリアへ小旅行—海軍さんの街歩き+港町のうどん
2日目は広島市から少し足を伸ばして、「呉(くれ)」へ小旅行してみましょう。広島駅からJR呉線で約45〜60分。港町として栄えた呉は、海軍の街として知られ、「大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)」や「海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)」など、貴重な展示が見られるスポットがあります。
午前中に到着したら、まずは大和ミュージアムへ。戦艦大和の模型や造船の歴史など、見応えのある展示が充実しています。その後は、周辺の商店街をぶらぶらと歩きながら、地元で人気の「呉うどん」を探してみましょう。呉のうどんは、やや太めでコシがあり、濃いめのだしと相性が良いのが特徴です。中には、地元産の海産物をトッピングしたメニューを提供している店もあります。
例えば、呉市中心部にある「福住」などの老舗では、昔ながらの味わいが楽しめます。港町らしい落ち着いた雰囲気の中でいただく温かいうどんは、旅の疲れを癒してくれる存在です。午後に向けては、さらに呉の海辺を歩いてみたり、記念艦「みかさ」の見学などもおすすめです。
2日目午後:音戸の瀬戸や入船山記念館周辺散策&だし休憩
呉の午後の時間には、少しディープな観光地へ足を伸ばしてみましょう。おすすめは、歴史ある洋館が残る「入船山記念館」と、絶景の海峡として知られる「音戸の瀬戸」。入船山記念館では、旧呉鎮守府司令長官官舎などが公開されており、大正〜昭和初期の建築美に触れることができます。
記念館の見学を終えたら、呉市役所方面へ戻り、再びうどんで“だし休憩”を。例えば「いせや 本店」などでは、濃いめのだしとやや甘口の味付けが特徴のうどんが提供されており、散策後のエネルギーチャージにぴったりです。特に呉では、出汁に鶏肉やさつま揚げを加えた「呉名物うどん」スタイルを楽しめる店もあり、地域色豊かな一杯を味わえます。
その後は「音戸の瀬戸公園」へ。呉駅からバスまたは車で約30分の場所にあるこのスポットは、狭い海峡を大型船が通過する迫力満点の風景で有名。特に夕方には、瀬戸内海に沈む夕日が絶景で、写真好きにもおすすめのポイントです。冬の凛とした空気の中、穏やかな海を眺めながら静かな時間を過ごすことができます。
3日目午前:宮島でもう一度「牡蠣×うどん」&ロープウェーで絶景
最終日は再び「宮島」へ。2泊3日プランでは、日帰りではなかなか味わえない“ゆったり宮島”を満喫する時間が取れるのが魅力です。朝早めに広島市内を出発して、フェリーで宮島に渡ったら、まずは再びの表参道商店街へ向かいます。
ここで味わいたいのが、冬限定の「牡蠣うどん」。とくに人気なのが「焼がきのはやし」の名物うどん。地元産の大粒牡蠣を使った濃厚な味わいが特徴で、旅の終盤にふさわしい贅沢な一杯です。熱々のだしにぷりぷりの牡蠣が加わったうどんは、まさに冬の広島を象徴する味です。
その後は「弥山(みせん)」へ。ロープウェーを使えば、体力に自信がない方でも中腹まで簡単にアクセスでき、そこからは徒歩で山頂を目指します。頂上からは、瀬戸内海に浮かぶ多島美が一望でき、晴れた日には四国方面まで見渡せるほどの絶景が広がります。寒さを忘れるような開放感に包まれながら、旅の最後のアクティビティを存分に楽しめるスポットです。
3日目午後:広島空港・新幹線前に駅ナカで最後の一杯&買い物
3日目の午後は、移動を考慮しつつ旅の仕上げに向かいましょう。宮島からフェリーと電車で広島駅へ戻ったら、駅ビル「ekie」で最後のうどんを味わい、旅を締めくくります。特に、駅ビル内の飲食フロアは空港や新幹線を利用する人向けに設計されており、時間に余裕がなくてもさっと美味しいものが食べられるのが特徴です。
おすすめは「うどん ふるいち」や「因島うどん ekie店」など。広島のだし文化を最後にもう一度噛み締めながら、あたたかい一杯で旅をしめくくる時間は、心にも体にも優しいひとときです。旅の思い出を振り返りながら、出発までの時間をのんびりと過ごしましょう。
その後は同じフロアでお土産購入へ。うどんの乾麺、だしパック、広島レモンを使った調味料などは、日持ちも良く自宅でも旅気分を再現できます。広島名物のもみじ饅頭は種類豊富で、お土産選びにも迷う楽しさがあります。
新幹線や飛行機の時間に合わせて動きやすいのも、ekieの大きな魅力です。無理のないスケジュールで、最後まで広島グルメと観光を楽しみ、充実した2泊3日を気持ちよく終えることができます。
予算・予約・混雑回避の実践テク(冬の注意点も)
予算目安:日帰り・1泊・2泊の食費と交通費の考え方
広島でのうどん食べ歩き観光にかかる費用は、旅のスタイルによって異なりますが、おおよその目安を把握しておくと計画が立てやすくなります。まず、日帰りの場合は、交通費(広島駅までの移動費は別として)と食費で約3,000〜4,000円が目安です。市内の移動は「広電1日乗車券(700円)」を使えば安く抑えられ、うどん代は1杯あたり700〜1,000円程度。2〜3杯の食べ歩きをしても2,500円前後で済みます。
1泊2日プランになると、ホテル代が追加されます。ビジネスホテルやカプセルホテルを利用すれば5,000〜8,000円程度に収まります。食費は朝・昼・夜にうどんを中心としたグルメを組み込んでも5,000円程度。観光施設の入場料などを含めて、全体で15,000円〜20,000円前後を見ておくと安心です。
2泊3日プランになると、2泊分の宿泊費に加え、呉や宮島への移動費がかかります。JRやフェリー利用で移動費が2,000〜3,000円増えるほか、観光施設の入館料やお土産代なども加算されます。食費・交通費・宿泊費を含めて、25,000〜35,000円程度の予算を想定しておくと、余裕を持って楽しめます。
並ばないコツ:ピーク時間の回避と取り置き・整理券の活用
人気のうどん店では、特に昼の時間帯に行列ができやすいため、ピークタイムを避けることが一番のポイントです。多くの店舗が11:00〜15:00をランチ時間として営業しているため、早めの10:30〜11:00に訪れるか、遅めの14:00〜15:00にずらすのがおすすめです。観光地では特に12時〜13時が集中するため、その時間帯は移動や観光に充てましょう。
また、店によっては整理券制や予約受付を行っているところもあります。たとえば宮島の人気店や駅ビル内のうどん店などでは、開店直後に並ぶことで比較的スムーズに入店できます。事前にGoogleマップや公式サイトなどで混雑状況を確認したり、予約対応の可否を調べておくと安心です。
朝食に軽めのうどんを食べ、昼前後の混雑を避けるという「逆転発想」もおすすめの方法です。広島うどんは重すぎないため、1日3杯以上でも意外と負担なく楽しめます。うどんを中心とした旅にする場合は、食べるタイミングをずらしてスムーズに回る工夫が大切です。
寒波対策:屋内待機スポット&温かい観光ルート設計
広島の冬は気温こそ氷点下になりにくいですが、風が冷たく体感温度が下がるため、しっかりと寒さ対策をしておく必要があります。特に海沿いや川沿いの観光地(宮島・平和記念公園・広島港など)は、風が強く吹くため、長時間屋外にいるとかなり冷えます。
そのため、屋内に避難できるスポットをルートに組み込むことが大切です。たとえば午前中に平和記念資料館、午後に縮景園の休憩所や本通のショッピングモール、夜は駅ビルのカフェなど、屋内と屋外を交互に回るルート設計を意識しましょう。
また、寒波の日は、急な天候の悪化に備えて代替プランを用意しておくのも有効です。例えば、屋外観光を短縮して、ekieや商業施設内のうどん店でゆったり過ごす方法もあります。広島駅周辺には待機しやすいカフェや公共スペースも多く、スケジュールに柔軟性を持たせることで、急な寒さにも対応できます。
キャッシュレスと現金の使い分け:小規模店での支払い準備
広島市内や観光地では、主要なうどん店や飲食店の多くがキャッシュレス対応しています。特にSuica・ICOCA・PayPay・クレジットカードなどが幅広く利用できるため、基本的にはキャッシュレスで問題ありません。ただし、小規模な食堂や昔ながらの店舗では、現金のみのところもあるため、最低限の現金は持っておくようにしましょう。
特に、呉や宮島の商店街などでは、小規模経営の老舗や個人店が多く、一部の店舗ではICカードやQR決済に対応していないことがあります。1,000円札や500円玉などを用意しておくとスムーズに買い物や食事ができます。
また、フェリーのチケット売り場や交通機関もICカード対応が進んでいますが、一部の券売機では現金のみの対応になっていることもあるため、チャージ不足にならないよう事前に確認とチャージをしておくことも重要です。交通系ICカードの残高確認はスマホアプリや駅構内のチャージ機で簡単に行えます。
おみやげ計画:持ち運びやすい乾麺・だしパック・保冷の工夫
広島うどん旅のお土産におすすめなのは、乾麺タイプのうどんやだしパック。ekieのお土産フロアや本通の商業施設では、広島で使われているいりこ・昆布だしのパックや、レモン風味のだし、しょうゆなど、調味料系のお土産も豊富に揃っています。旅先の味を自宅でも再現できるため、うどん好きな方への贈り物にも最適です。
また、冬場であっても生麺や牡蠣関連商品を購入する場合は、保冷バッグや保冷剤の用意があると安心です。一部のお土産店では、購入時に無料で保冷サービスを行っている場合もありますが、数量限定のことがあるため、心配な方は事前に100円ショップなどで用意しておくと便利です。
もみじ饅頭やレモンケーキなど定番土産も充実していますが、「うどん・だし」に特化したお土産選びは、今回のような“テーマ旅”の記憶をより鮮明に残してくれます。自宅で旅の思い出に浸りながら味わう「締めの一杯」は、旅を何度も楽しめる素敵な余韻となるでしょう。
まとめ
寒さが本格化する冬の広島。しかし、その寒ささえも「旅の魅力」に変えてくれるのが、だしの香り立つ広島うどんの存在です。柔らかい麺と上品なだし、地元の旬食材を使ったトッピングが一体となった一杯は、体だけでなく心まで温めてくれます。
日帰りなら市内中心部で3〜4軒のうどんを楽しみつつ、王道観光スポットも回れるコンパクトなプラン。1泊2日になると、宮島での「牡蠣うどん」やイルミネーション散策など、夜の楽しみも加わります。そして2泊3日では、呉エリアや弥山からの絶景、さらには宮島再訪で贅沢な締めくくりが可能になります。
また、広島は路面電車やフェリーなど交通の利便性が高く、観光の合間にスムーズにうどん巡りができる点も魅力。観光地とグルメが徒歩圏内にあるからこそ、移動で疲れすぎずに、五感すべてで広島を味わう旅が実現します。
冬ならではの寒さと静けさが、あたたかいうどんの美味しさをより際立たせ、旅の印象をぐっと深めてくれます。「旅のごちそう」としてのうどんを堪能しながら、広島の街を味わいつくす——。そんな満足感あふれるモデルコースを、ぜひ次の旅行の参考にしてみてください。



