美味しいコーヒーを求めて静岡の街を歩けば、そこには個性あふれるロースターやバリスタの情熱が詰まったお店が点在しています。豆の香りに誘われて扉を開けると、そこには一杯のコーヒーを通じて丁寧な時間が流れる空間が広がっていました。
本記事では、静岡市・浜松市・沼津市から選りすぐりの5軒をご紹介。浅煎り派も深煎り派も、初めての人もコーヒー通も、それぞれの好みに応えてくれる店ばかりです。
静岡で本当に美味しいコーヒーを味わいたいあなたへ。さあ、心を満たす一杯を探しに出かけてみませんか?
ETHICUS coffee roasters 静岡市・鷹匠
店のプロフィールと豆の選定基準
静岡市葵区鷹匠にある「ETHICUS coffee roasters(エシカス コーヒーロースターズ)」は、スペシャルティコーヒー専門の自家焙煎店です。店名の「ETHICUS」は「倫理的な」という意味を持ち、豆の仕入れから焙煎、提供に至るまで、“正しい手順と哲学”を大切にしています。
取り扱うのは、すべてトレーサビリティの取れたスペシャルティグレードのコーヒー豆。生産地や品種、生産者の情報が明確な豆を厳選し、それぞれの豆の特性が引き立つように焙煎されています。焙煎度は浅煎りから中煎りが中心で、果実味や酸味、香りの高さを感じられる味づくりが特徴です。
焙煎はすべて店舗内で行われ、焙煎士が細かく状態をチェックしながら豆に最適な火加減で仕上げます。豆のラインナップは日替わりや季節ごとに変わることも多く、常に新鮮な驚きがあるのも魅力のひとつ。
また、店内には豆ごとの詳しい説明が掲示されており、コーヒー初心者でも選びやすいよう工夫されています。スタッフも知識が豊富で、「苦味が少なくて飲みやすいものがいい」など希望を伝えれば、丁寧に豆を案内してくれます。
「香りを楽しみたい」「酸味のあるコーヒーが好き」「生産者の顔が見える豆を飲みたい」といったニーズを持つ人にとって、ETHICUSはまさに理想的な一軒です。
初めて行く人におすすめの一杯
ETHICUSを初めて訪れるなら、まずは「シングルオリジンのハンドドリップ」を選ぶのがおすすめです。ETHICUSでは、その時期に最も美味しい豆を仕入れ、最適な焙煎で仕上げて提供しています。そのため、どの豆も高い品質を誇りますが、ハンドドリップで淹れることで、その個性が一層際立ちます。
選べる豆の種類は数種類あり、たとえばエチオピアのような柑橘系の明るい酸味を持つものや、ケニアのようにベリー感のあるコーヒーも並びます。豆の特性は店内で丁寧に説明されているので、好みに合わせて選ぶことが可能です。選ぶのが難しい場合は、スタッフに「今おすすめの豆を飲んでみたい」と声をかければ、豆の状態や味のバランスを考えて最適な一杯を提案してくれます。
また、ETHICUSではエスプレッソマシンも完備しており、カフェラテやフラットホワイトなどのミルク系ドリンクも人気です。エスプレッソは深煎りではなく、中煎りに近い優しいローストで、ミルクと合わさっても豆の持つ果実感がしっかりと感じられる味わいです。
まずはハンドドリップで豆の個性をストレートに味わい、その後ラテなどミルク系に挑戦してみるというのも楽しみ方の一つです。
注文や滞在のコツ
ETHICUSの店内はシンプルで洗練された空間が広がっており、木の温もりを感じるナチュラルなインテリアが印象的です。席数は多くありませんが、カウンター席とテーブル席があり、ひとりでも気軽に立ち寄れる雰囲気です。
店に入るとまずカウンターで注文するスタイルで、豆の種類や抽出方法についてスタッフが丁寧にヒアリングしてくれます。コーヒーに詳しくない人でも、「苦味少なめで」や「フルーティーな味が好き」などざっくりとした希望を伝えるだけで、ぴったりの豆やメニューを提案してくれるのがありがたいポイントです。
滞在時間の目安としては、平日午前中が比較的空いており、ゆったりと過ごすにはおすすめの時間帯です。土日や祝日は混み合うこともあるので、静かな時間を求めるなら開店直後が狙い目です。
また、ETHICUSではドリンクのテイクアウトにも対応しており、気軽に持ち帰って楽しむことも可能です。特に鷹匠エリアは散歩にぴったりの街並みなので、コーヒー片手に街歩きを楽しむスタイルもおすすめです。
アクセスと営業時間
ETHICUS coffee roastersは、静岡市葵区鷹匠1丁目に位置しており、静鉄「日吉町駅」から徒歩わずか1分という好立地にあります。駅の改札を出てすぐの通り沿いにあり、アクセスの良さは抜群です。
店舗の外観は木とガラスを基調とした落ち着いたデザインで、看板も控えめなため見逃さないように注意しましょう。ただ、その佇まいはまさに“知る人ぞ知る名店”といった雰囲気で、コーヒー好きなら思わず足を止めたくなるような魅力があります。
営業時間は9:00〜18:00で、定休日は木曜日です。朝から営業しているため、通勤前に立ち寄る人や、午前中のひと休みに利用する人にも親しまれています。
なお、駐車場は完備されていませんが、近隣にはコインパーキングが複数あるため、車での訪問も問題ありません。また、公式Instagramでは臨時休業や新商品の情報がこまめに更新されているため、訪問前にはチェックしておくと安心です。
こんな人に刺さる
ETHICUS coffee roastersは、「豆の個性を楽しみたい」「浅煎りやフルーティーな味わいが好き」「スペシャルティコーヒーに興味がある」といった人にぴったりのコーヒーショップです。特に、チェーン店では味わえない奥深い香りや味わいを求める人にとっては、大きな満足を得られる場所となるでしょう。
また、コーヒーに詳しくなくても、丁寧な接客や提案によって自分の好みに合った豆を見つけられるため、「これからコーヒーをもっと楽しみたい」という初心者にも優しいお店です。
さらに、落ち着いた空間で静かに過ごしたい人や、コーヒーを通して少しだけ豊かな時間を過ごしたいという人にもおすすめです。派手さはありませんが、その分、一杯のコーヒーに集中できる、心地よい静けさがここにはあります。
IFNi ROASTING & CO. 静岡市
創業ストーリーと“日常のコーヒー”哲学
IFNi ROASTING & CO.(イフニ ロースティング アンド コー)は、静岡市葵区にある2001年創業の自家焙煎コーヒー専門店です。創業者は「日常に自然と馴染むコーヒー」をテーマに掲げ、焙煎所としての役割からスタートしました。今では豆の販売だけでなく、オリジナルのコーヒー器具や道具の開発、カフェ運営、全国への卸販売まで幅広く手がける存在へと成長しています。
店名の「IFNi」は、“if not I(もし自分でなければ)”という言葉を短縮した造語で、「他人任せにせず自分の手で作る」ことを理念としています。この哲学は、豆の選定・焙煎から器具の設計、パッケージングまで自社で完結させる姿勢に現れており、まさにクラフトマンシップの塊のようなブランドです。
コーヒーは派手な個性よりも、毎日飲んでも飽きない“バランスの良さ”や“飲みやすさ”を大切にしています。香りとコク、酸味と苦味の調和を重視し、家庭や職場、日々のどんなシーンにも自然と馴染む味づくりが特徴です。
そんなIFNiの哲学は、シンプルで美しく、長く使える器具やパッケージデザインにも反映されています。コーヒーが生活の一部であり続けるために――。そんな願いが詰まった一杯を届けてくれる存在です。
看板ブレンドとオリジナル器具の魅力
IFNiの代名詞といえば「IFNiブレンド」。中煎りを中心に仕上げられたこのブレンドは、苦味・酸味・コクのバランスが絶妙で、飲み飽きない優しい味わいが特徴です。朝の目覚めの一杯としても、仕事中の気分転換としても、どんなタイミングでも心地よく寄り添ってくれるような存在感があります。
また、IFNiが独自に展開するコーヒー器具は、どれも機能性と美しさを兼ね備えたプロダクトばかりです。たとえば、ミニマルで無駄のないドリッパーや、アウトドアにも持ち出せるポータブル抽出器具など、使い勝手の良さとデザイン性を兼ね備えたアイテムは、国内外のコーヒーラバーから高い評価を得ています。
器具はオンラインショップでも購入可能で、ギフト向けのラッピングやセット販売も対応しています。器具の使い方も丁寧に解説されているため、初心者でも安心して扱えるのが魅力です。
ブレンドコーヒーと、それを引き立てる道具。どちらにも共通しているのは、決して主張しすぎない“日常への馴染みやすさ”です。「あって当たり前」と感じるくらい自然に生活に溶け込む、それがIFNiのスタイルです。
工場直売スタイルの楽しみ方
IFNiの店舗は焙煎所を兼ねており、豆の香りが漂う中でじっくりと商品を選べる“工場直売型”の魅力があります。壁一面に並ぶコーヒー豆のラインナップは10種類以上。どれも焙煎したての状態で用意されており、100g単位での量り売りに対応しているため、少量ずついろいろな種類を試したい人にぴったりです。
豆の種類には、定番のIFNiブレンドのほか、産地や精製方法が異なるシングルオリジンもラインナップされています。季節限定のブレンドや、カフェインレスコーヒーもあるため、幅広いニーズに対応しています。
どの豆にするか迷った場合は、スタッフに味の好みを伝えれば、香味の特徴やおすすめの抽出方法を丁寧に教えてくれます。豆選びそのものが「会話を楽しむ時間」になるのも、IFNiの魅力の一つです。
また、焙煎作業が見える場所で販売が行われているため、運が良ければ実際に焙煎機が稼働している様子を見ることも可能です。五感で楽しむコーヒー体験ができるのは、焙煎所直結のショップならではの特権です。
購入やイートイン情報
IFNiでは、基本的に豆の購入がメインですが、その場で淹れてもらったコーヒーをテイクアウトすることもできます。ハンドドリップやカフェラテなど、オーダーが入ってから1杯ずつ丁寧に抽出されるため、焙煎仕立ての豆の香りをその場で楽しめる贅沢な時間を味わえます。
店内にイートインスペースはありますが広くはなく、どちらかといえば「買ってすぐに持ち帰る」スタイルが基本です。シンプルな椅子とテーブルが設置されており、少しの時間ゆったりと過ごすことも可能です。
営業時間は月曜から土曜の10:00〜18:00、日曜と祝日は定休日です。現金や各種キャッシュレス決済に対応しており、公式オンラインショップでは全国発送も行っています。遠方の方でも自宅でIFNiの味を楽しめるのが嬉しいポイントです。
営業情報や新商品の情報は、**公式Instagram(@ifni_roasting_and_co)**で頻繁に更新されています。臨時休業の情報なども掲載されているため、訪問前にはSNSのチェックをおすすめします。
向いているタイプ
IFNi ROASTING & CO.は、「日常にちょっと良いコーヒーを取り入れたい」という人に最適なロースターです。派手な味の個性を求めるよりも、飲みやすさや落ち着いた風味を重視する人には特におすすめできます。
また、デザインにこだわりのある人や、生活を丁寧に楽しむライフスタイルを目指す人にも向いています。コーヒーを“飲み物”としてだけでなく、“暮らしの要素”として楽しみたい人にとって、IFNiのコーヒーや器具は非常に魅力的に映るはずです。
店舗ではスタッフとの距離も近く、コーヒーの好みや使い方などを気軽に相談できるため、初心者にも優しい環境です。また、ギフトや贈答用の豆・器具を探している人にも重宝される存在となっています。
「毎日飲むコーヒーを、ほんの少し特別にしたい」――そんな気持ちに寄り添ってくれるのがIFNi ROASTING & CO.です。
WILL COFFEE & ROASTERS 浜松
バリスタの一杯とバー併設の魅力
静岡県浜松市にある「WILL COFFEE & ROASTERS(ウィル コーヒー アンド ロースターズ)」は、自家焙煎コーヒーとバリスタの技術が楽しめる人気のカフェです。昼間はスペシャルティコーヒーを中心とした本格的なカフェとして、夜はアルコールも楽しめるコーヒーバーとして営業しており、1日を通して異なる雰囲気を楽しむことができます。
店内には常時バリスタが在籍しており、注文を受けてから一杯ずつ丁寧にドリップやエスプレッソ抽出を行っています。バリスタとの会話を通じて、豆の選び方や抽出方法、味の違いなどを気軽に学べるのもこの店の魅力。コーヒー初心者から通な人まで、幅広い層に愛されています。
さらに、夜の営業ではクラフトビールやカクテル、さらにはコーヒーを使ったアルコールメニューも提供されており、仕事帰りに立ち寄って一息つくのにもぴったり。昼と夜でまったく違った表情を見せる“二面性”が、WILL COFFEEならではの個性です。
店舗全体の雰囲気は落ち着いていて、インダストリアルな内装に木の温もりが加わったスタイリッシュな空間が広がっています。大きな窓から自然光が入り、開放感のある座席配置も好評です。
選びやすいメニューの歩き方
WILL COFFEEの魅力のひとつは、メニューのわかりやすさと選びやすさにあります。コーヒーに詳しくない人でも、自分の好みに合った一杯を迷わず選べるよう、メニューには豆の特徴やおすすめの飲み方がしっかりと記載されています。
まず、メインのコーヒーメニューは「ハンドドリップ」「エスプレッソ」「ラテ系」などのスタイル別に分かれており、それぞれに使用する豆の種類が明記されています。豆は定期的に入れ替わり、エチオピア、グアテマラ、コロンビアなど産地によって異なる風味が楽しめます。
「酸味が苦手」「苦味が強いのが好き」といった希望にも柔軟に対応してくれるので、バリスタに気軽に相談してみるのがおすすめです。豆の選び方から抽出方法、ミルクとの相性まで、しっかりとアドバイスをもらえるので、初めてでも安心して注文できます。
また、コーヒー以外にも紅茶、自家製レモネード、ソフトドリンクなどが揃っており、カフェとしての使い勝手も抜群。夜にはビールやワイン、カクテルも登場し、幅広いニーズに応えています。
「カフェ=昼だけの場所」という常識をくつがえすWILL COFFEEのスタイルは、新しいコーヒー体験を提供してくれます。
フードやスイーツとの相性
WILL COFFEEでは、ドリンクだけでなくフードやスイーツのメニューも充実しています。特に注目したいのが、自家製の焼き菓子やサンドイッチ類。季節に応じて変わるスイーツは、素材にこだわりつつも、あくまで“コーヒーに合う味”に仕上げられています。
定番人気は「バスクチーズケーキ」や「ガトーショコラ」などのしっとり系ケーキ。これらは中煎り〜深煎り系のコーヒーと相性抜群で、苦味と甘味のバランスが絶妙です。エスプレッソと合わせて濃厚に楽しむのもおすすめです。
ランチタイムには、サンドイッチやホットドッグといった軽食メニューも登場し、軽めのランチやブランチにも最適。コーヒーと合わせることで、満足感のある一食になります。
また、夜営業時にはおつまみメニューやアルコールに合う前菜も提供され、仕事終わりの一杯にちょっとした食事を添えることもできます。
すべてのフードが「主役のコーヒーを引き立てる」ことを意識して作られており、ただのカフェ以上の完成度を感じさせてくれるのがWILL COFFEEの魅力です。
アクセスや営業時間
WILL COFFEE & ROASTERSは、浜松市中区田町に位置し、遠州鉄道「第一通り駅」から徒歩約3分の好立地です。駅から近く、周辺にはオフィスビルや商業施設も多いため、仕事の合間や買い物帰りにも立ち寄りやすい環境です。
店舗の外観はガラス張りのモダンなデザインで、初めてでも入りやすい雰囲気。木製の看板や照明が、温かみを添えています。
営業時間は**10:00〜22:00(L.O.21:30)**と長く、朝から夜まで幅広い時間帯で利用できるのが特徴です。夜はバー営業としてアルコールも提供され、昼とは違った大人の雰囲気が楽しめます。
定休日は月曜日で、その他臨時休業などの情報は公式Instagram(@will_coffee_and_roasters)で随時更新されています。最新の営業時間やイベント情報をチェックしてから訪問するのが安心です。
カフェタイム・ランチ・ディナー・夜カフェと、シーンを問わず使える“街のコーヒー拠点”として、多くのファンに支持されています。
こういう人におすすめ
WILL COFFEE & ROASTERSは、コーヒーをじっくり味わいたい人から、カフェを社交の場やライフスタイルの一部として活用したい人まで、幅広い層におすすめできるお店です。
とくに、「昼はカフェ、夜はバー」のように、時間帯によって違う雰囲気を楽しみたい人にはぴったり。また、バリスタとの会話を楽しみながら豆や抽出方法を学びたい人にとっても、WILL COFFEEは非常に有意義な空間です。
さらに、浜松エリアで“しっかり美味しいコーヒーが飲める店”を探している人には、真っ先に紹介したい存在です。丁寧に淹れられた一杯を、落ち着いた空間でじっくり味わえる――そんな時間を求める人にはきっと刺さるでしょう。
フードやスイーツとのペアリングを楽しみたい人、仕事帰りに一息つけるカフェバーを探している人にも最適です。「どの時間帯に行っても満足できる店」を求めている方には、WILL COFFEE & ROASTERSが間違いない選択肢です。
TRANSIT COFFEE ROASTERS 浜松
毎日飲みたいコーヒーを目指す焙煎
TRANSIT COFFEE ROASTERS(トランジット コーヒー ロースターズ)は、「毎日飲みたいコーヒー」をテーマに掲げる浜松発の自家焙煎ロースターです。単に「特別な一杯」ではなく、「日常に寄り添う美味しさ」を追求するスタンスが、多くの常連客に支持されています。
このお店の焙煎の特徴は、「香り」「甘み」「飲みやすさ」のバランスを重視した中煎り中心のプロファイルです。スペシャルティグレードの豆を中心に、豆本来のキャラクターを引き出すことに注力しながらも、極端に個性的にしすぎない“ほどよい個性”が持ち味。
「酸味が強すぎるのは苦手だけど、普通のコーヒーでは物足りない」そんな人にぴったりな味づくりをしており、コーヒー初心者からこだわり派まで、幅広く受け入れられる設計になっています。
また、「家でもこの味を再現したい」と思わせるような再現性の高さも魅力で、豆の販売にも力を入れています。店内で飲んだ一杯をそのまま購入して自宅で楽しめる点も、毎日飲みたくなる理由のひとつです。
卸本町本店とcaravan店の使い分け
TRANSIT COFFEE ROASTERSは現在、浜松市内に2つの拠点を持っています。ひとつは本格的な焙煎所兼スタンドスタイルの「卸本町本店」、もうひとつはカフェ機能と焙煎所を融合させた「caravan(キャラバン)店」です。
卸本町本店は、浜松の卸商業エリアに位置し、豆の販売とテイクアウトコーヒーに特化した“スタンド型店舗”です。焙煎所が併設されており、香ばしい香りの中で豆選びやテイクアウトを楽しめるのが魅力。短時間の立ち寄りや、通勤・通学前の一杯にも最適です。
一方、caravan店は、よりゆっくりとしたカフェスタイルの店舗で、席数も多く、イートイン利用がしやすいのが特徴。季節限定のドリンクや、軽食・スイーツメニューも展開しており、友人とのカフェタイムやちょっとした打ち合わせにも利用できます。
それぞれの店舗でコンセプトや雰囲気が異なるため、用途に応じて使い分けることができます。急ぎのときは本店でサクッと、落ち着きたいときはcaravanでゆっくり――そんな自由な選択肢があるのもTRANSIT COFFEEの魅力です。
定番豆と季節限定の選び方
TRANSIT COFFEEでは、常時数種類の定番コーヒー豆と、時期によって入れ替わる季節限定のシングルオリジンがラインナップされています。豆はすべて100g単位での販売となっており、自宅用としても購入しやすくなっています。
定番豆には、バランス重視の「TR BLEND(トランジットブレンド)」や、香りと甘さを引き立てた「LIGHT BLEND」などがあり、どれも「毎日飲める」ことを意識した設計。コクがありつつもスッと飲める後味が特徴です。
一方、季節限定の豆は、農園や産地が明確なシングルオリジンが中心。エチオピアのナチュラル精製豆や、中米系のウォッシュドなど、その時々でユニークな味わいを楽しむことができます。豆のカードにはフレーバーノートが丁寧に書かれているため、香りや酸味、ボディ感の好みで選びやすくなっています。
店頭では試飲が用意されていることもあるので、実際に味わってから選ぶのもひとつの楽しみです。また、豆を購入する際は、バリスタに抽出のコツや保存方法を尋ねると、より自宅での再現度が高まります。
行く前チェックのポイント
TRANSIT COFFEEは公式Webサイトのほか、Instagramを中心に営業情報を発信しています。特にcaravan店ではイベントや期間限定メニューなどの更新が活発で、訪問前にSNSをチェックしておくと、新しい楽しみ方が見つかるかもしれません。
卸本町本店の営業時間は平日中心で、早朝から午後までの営業が基本。caravan店は土日祝も営業しており、より幅広い時間帯での利用が可能です。定休日や営業時間は変更される場合もあるため、訪問前に必ず確認しましょう。
また、両店舗ともに駐車場が完備されており、車でのアクセスも便利です。公共交通機関を利用する場合は、浜松駅からバスやタクシーを使うのがスムーズです。
GoogleマップやInstagramのストーリーズでは、店内の様子やリアルタイムの情報も確認できるため、混雑状況なども参考になります。
「今日はどっちの店舗に行こうかな?」と考える時間すら楽しくなる、それがTRANSIT COFFEEの魅力のひとつです。
合うタイプ
TRANSIT COFFEE ROASTERSは、日常的にコーヒーを楽しみたい人や、「家でもカフェのような味を出したい」という人にぴったりのロースターです。コーヒーの敷居を高くしすぎず、それでいてしっかりとしたクオリティを提供してくれるバランス感覚が、多くのファンを引きつけています。
「個性の強すぎる味は苦手」「香りや甘みを大事にしたい」「価格とのバランスも重視したい」といったニーズを持つ人には、まさにぴったりの一軒です。
また、卸本町本店とcaravan店を使い分けることで、忙しい日も、のんびり過ごしたい日も対応できる柔軟さも魅力。カフェラテ一杯でしっかり満足感があるため、「ちょっと寄り道したい」と思ったときにもおすすめです。
日常に自然と馴染むコーヒーを探している人、気軽に通える焙煎所を探している人は、ぜひ一度TRANSIT COFFEEを訪れてみてください。
NUMAZU COFFEE LAB 沼津
シングルオリジン中心の味づくり
NUMAZU COFFEE LAB(ヌマヅ コーヒー ラボ)は、2024年10月に静岡県沼津市にオープンした新しいコーヒースタンドです。シングルオリジン(単一農園の豆)を中心とした自家焙煎を行っており、それぞれの豆が持つ特徴や風味を丁寧に引き出す味づくりが魅力です。
提供されるコーヒーは、浅煎り〜中煎りの範囲で調整されたものが多く、豆本来の「甘み」「酸味」「香り」がしっかり感じられる仕上がり。スペシャルティコーヒーらしい華やかな香りやフルーティーな余韻が印象的で、「ブラックで飲むのが美味しい」と感じられる一杯が楽しめます。
店舗にはエスプレッソ用とドリップ用の豆がそれぞれ用意されており、どちらも週替わりやシーズンごとの入れ替えが行われています。つまり、訪れるたびに新しい味との出会いがある、そんな“実験的”なスタイルが、店名の「LAB(研究室)」にも表れているのです。
抽出には高性能のエスプレッソマシンやスケールを用い、再現性の高い一杯を目指しています。コーヒーにこだわりのある人でも、満足できるクオリティです。
はじめの一杯と体験の楽しみ
NUMAZU COFFEE LABを初めて訪れる人におすすめなのは、「本日のコーヒー」または「本日のエスプレッソ」。これはその時点で最も状態が良く、店主が「今おすすめしたい」と考える豆を使って抽出された一杯です。
この“おまかせ”スタイルを通じて、豆の個性を楽しむという体験が自然と始まります。たとえば、エチオピア産の華やかな酸味がある一杯や、グアテマラの甘みが際立つ一杯など、日によって全く異なる味わいが提供されます。
さらにユニークなのが、NUMAZU COFFEE LABが定期的に開催しているブレンド体験イベント。これは複数のシングルオリジンを試飲し、自分好みの割合でブレンドを作ってみるという参加型の企画です。自分だけの味を見つける楽しさと、コーヒーの奥深さを体感できる貴重な機会となっています。
また、定番メニューのひとつに「鴛鴦(えんおう)ラテ」という、紅茶とコーヒーをミックスした香港スタイルのドリンクもあり、これが意外にも飲みやすく、ファンが多いそうです。
単なるカフェではなく、“自分の好みに出会う場”としての魅力を持ったお店。それがNUMAZU COFFEE LABです。
店内での過ごし方とテイクアウト
NUMAZU COFFEE LABの店内は、白と木を基調にした清潔感のある空間で、無駄をそぎ落としたシンプルな設計が印象的です。座席数は多くなく、スタンド形式に近いスタイルですが、明るく開放感のある内装で、居心地の良さがあります。
店内では静かに音楽が流れ、コーヒーを集中して味わうにはぴったりの環境です。一人でのんびりと過ごす人も多く、読書や小さな作業をしている姿も見られます。あくまで「コーヒーが主役」の空間づくりがされているため、長時間滞在というよりは、短時間で丁寧に楽しむスタイルがおすすめです。
もちろん、ドリンクはすべてテイクアウト可能。専用のカップで提供されるので、沼津駅周辺の散策や公園でのんびりとコーヒーを楽しむのも良いでしょう。
店舗のスタッフは丁寧で親しみやすく、味の相談にも気軽に乗ってくれるため、コーヒーの知識がない人でも安心して過ごせます。ちょっとした会話から豆選びのヒントが得られることもあり、そのやりとりも楽しみのひとつです。
アクセスと営業時間
NUMAZU COFFEE LABは、沼津市の中心部、あまねガード近くに位置しています。JR「沼津駅」から徒歩約6分とアクセスも良好。駅周辺の喧騒から少しだけ離れた場所にあるため、静かにコーヒーを楽しみたい人にはぴったりの立地です。
外観はモダンで洗練された印象で、白を基調とした建物に小さな看板が掲げられています。大きなチェーンカフェとは異なる、まさに“隠れ家”的な雰囲気が魅力です。
営業時間は11:00〜19:00で、定休日は火曜日。早朝の営業は行っていませんが、ランチ後のひと息や仕事帰りの一杯にちょうど良い時間帯です。
また、Instagram(@numazu_coffee_lab)で最新情報を発信しており、臨時休業や限定メニューの案内も行われています。初めて訪れる方や遠方から訪れる方は、事前にSNSをチェックしておくと安心です。
こんな人におすすめ
NUMAZU COFFEE LABは、「スペシャルティコーヒーの奥深さをもっと知りたい」「豆の違いを楽しみたい」という好奇心旺盛な人に特におすすめです。シングルオリジンを中心に、抽出方法や味の変化を体験できるため、コーヒーへの理解が自然と深まる環境が整っています。
また、自分だけのブレンド体験などの参加型イベントを通じて、コーヒーに“関わる”ことの楽しさを知りたい人にもぴったりです。
「コーヒーは好きだけど、どんな豆を選んだらいいか分からない」という初心者でも、スタッフの丁寧な説明とサポートによって、自分の好みに合った味に出会えるチャンスがあります。
静かに落ち着いた時間を過ごしたい人、香りや酸味の違いをじっくり味わいたい人にとって、NUMAZU COFFEE LABはまさに理想的なカフェです。
まとめ
静岡県には、全国的にも評価の高いロースターや、地元で愛される個性豊かなコーヒーショップが点在しています。本記事で紹介した5店舗は、どこも「本当にコーヒーが美味しい」と感じられる実力派ばかりです。
- ETHICUS coffee roasters(静岡市・鷹匠):
浅煎りのシングルオリジンが得意な本格ロースター。香り高く、軽やかな味わいが魅力。 - IFNi ROASTING & CO.(静岡市):
“日常のコーヒー”をコンセプトにした老舗。ブレンドと器具のトータル提案力が強み。 - WILL COFFEE & ROASTERS(浜松):
バリスタ常駐、昼はカフェ、夜はバー。シーンを問わず本格的な一杯を楽しめる名店。 - TRANSIT COFFEE ROASTERS(浜松):
“毎日飲めるコーヒー”を大切にするロースター。2店舗使い分けで日常にも非日常にも。 - NUMAZU COFFEE LAB(沼津):
シングルオリジンと実験的メニューが楽しめる新星カフェ。コーヒーの奥深さを体験できる。
どのお店も「自分らしいコーヒーの楽しみ方」を大切にしており、ただの“飲み物”としてではなく、「知る・選ぶ・味わう」ことを含めた総合的な体験を提供してくれます。観光や出張で静岡を訪れる際はもちろん、地元の人にも改めて訪れてほしい、おすすめの5軒です。
